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「マジすか学園2.5」第7話

第7話「参上」

「連れてかれた!? 寒ブリが!?」

息も絶え絶えにレモンは事のいきさつを、まだ学校に残っていたどっち、年増、ツリの3人に伝えた。

「敵討ちだって言ってて。写真には寒ブリが写っててよ」

実際に見せられた写真のことも話す。
因縁の相手として写っていたのは、どう見ても寒ブリだった、と。
それを聞いて、すぐに勘付いたのはツリだった。

「まさか、それ、今朝俺が助けられた……」

ツリがナン女に襲われた際に現れた、寒ブリにそっくりな少女。
やはり自分の見間違いでは無かったのだ。
仲間内で2人も見間違えるほどに似ている。
どっちもツリのその意見に続いた。

「間違いねえよ! あいつらそれと勘違いしてるんだ!」

あれだけ顔が似ている人間がいるなんて普通は考えない。
写真まで用意されて、人違い、なんて説明は通じない。
寒ブリは、『ナン女を5人も返り討ちにした者』、と勘違いされている。
その報復も、強い奴をよこしてくる。

「ボスって奴だ。あの風格、間違いなく3年に違いねえ」
「寒ブリの奴、絶対ヤバいぜ……よし、助けに行くぞ」

事態は一刻を争う。
しかし、闇雲に動いてもそれは無意味。
4人は作戦会議、と言わんばかりに輪になった。

「場所はあそこらへんだと廃倉庫だ。そこしかねえ」

レモンの言葉に誰も異は唱えない。
不良女子が喧嘩をする、人の目につかない場所といえばそこなのだ。
それはマジ女だろうが、ナン女だろうが関係は無い。
決まっている。
そのあとの指示は、キャプテンのどっちが出した。

「俺とレモンと年増の3人は廃倉庫に向かう」
「え、俺は?」
「ツリ、お前は今朝のそいつを探してきてくれ」
「え、寒ブリにそっくりのあいつ?」
「本人がいないとどうにも説明つかないだろ。相手は1人じゃないし、シブヤを倒したクラスの奴が出てきたら5人がかりでも勝てるわけねえ」

最悪の場合、いや、正直もうすでに、自分たちが実力でどうにかできると思っていなかった。
おそらくこのまま乗り込んでも返り討ち。
寒ブリを救うためには、とにかく人違いだということを分かってもらうしかない。
それには、あの信じられないほどに似ている、寒ブリにそっくりの少女を実際に見てもらうしかない。

「気の毒だが、そいつには犠牲になってもらおう」
「マジかよ、俺、今朝借りを作ったばっかなんだけど。心痛むだろうが」
「しょうがねえだろ! 弱いんだから!」

ツリの表情は曇った。
偶然とはいえ、彼女には間違いなくナン女にボコられるところを助けてもらった。
完全に巻き込んでしまった。
どうにかして、彼女の手を借りない理由を探した。
そして思いつく。
そもそも、彼女のことは何も知らない。
そんな人間を探し出すなんて、無理なのだ。

「こ、この町のどこかってレベルを探せって言うのかよ」
「それしかねえよ」

しかし、鋭い目で、すぐにどっちに返される。
他の理由、とツリは頭で考えたが、出てこない。
いいな、とどっちに言われると、煮え切らない表情のまま、頷いた。
年増とレモンも頷くと、予定通り、3人とツリの1人で、別れる。
別れ際、どっちはツリを呼び止めた。
そして静かに言葉を伝えると、4人は走り出した。


「さーて、タイマンと行きましょうか」

地面に転がると、冷たいコンクリートとその上に薄く積もった砂を手に感じた。
外見は割かし綺麗だが、中は木材やら鉄材やら粗大ごみやらが散乱している。
ズルズルと引きずられて来てしまった廃倉庫。
もう逃げれられない。
自分を投げ飛ばしたボスの目が上から刺さる。
体についた砂を掃いながら、寒ブリは立ち上がった。

「頼むよ、マジで人違いなんだ。俺はそいつらなんて知らねえ」

その言葉の瞬間、チッという舌打ちと同時にボスの長い腕が寒ブリの襟まで伸びる。
そして、腹、右頬、と激痛が走る。
再び寒ブリは冷たい地面に突っ伏した。

「まーだ言ってんのかよ、イラつくなあ」

寒ブリは何も言い返せない。
戦う勇気が、無い。
そんな寒ブリを見下すボスに、取り巻きが耳打ちした。

「あいつ、キレなきゃ本気にならないんすよ。今朝もそうでした。ボコられてたのに突然キレて」
「なるほど……」

それを聞いたボスはふーん、とニヤリ笑った。
やることは1つ。

「おい、ヘタレ。立てよ。それとも土下座して許しを請うのか?」

挑発。
戦意の無い相手と戦っても、それは報復にもならない。
怒らせて戦って勝つ。

「……」
「おいおい、黙ったままか。マジ女の名前だけのなんちゃってヤンキーがよ」
「……」

寒ブリは黙ったままだった。
挑発に乗る気は無い。
必死で、この場をどう切り抜けようか、考えを巡らせていた。
本当に土下座でもした方が早いのではないか、とすら思った。
ボスは構わず続けた。

「お前みたいのがヤンキーとか言ってるのが腹立つ。ただのクズなのに」
「……」
「お前の連れもさっさと逃げてったしよー。ホントにヘタレばっかだなマジ女は」

このとき、寒ブリは、自分が反射的に拳を握りしめたいるのが分かった。
自分の中の何かが、燃え上がるような感覚。
何故か、レモンのことを言われたからか。

「レモンは……関係ないだろ」

思わず、言い返していた。
思わず、立ち上がっていた。

「お、喋った。で、レモンって誰? あーお前を置いて逃げたヘタレか」
「レモンは関係ないっつってんだろ!」

飛んでくる寒ブリの拳を、ボスはかわす。
その寒ブリの姿を見て、嬉しそうに笑う。

「やっと本気になったか……」

自分でも何故立ち向かっているか分からなかった。
喧嘩なんてしたことないし、勝てるわけない。
いくら自分のことをバカにされたって、どうでもよかった。
でも、友達がバカにされるのを黙って聞いているわけにはいかない。
寒ブリの拳が空を切る。
その隙をついて、ボスの蹴りが腹部へ刺さる。
怯んだところの間合いを詰めて、今度は右の拳。
容赦のない追撃、伸ばした右手でそのまま寒ブリの服を掴むと、今度は左。
ぐうの音も出ないほどに、ボコボコだった。

「あれ……弱い? 嘘だろ、こんなのに5人もやられたの?」

ボスが振り返ると、今朝の傷が残る当の本人達も、ボスと同様に疑問の表情で首をかしげた。
どう贔屓目に見たって、5人を返り討ちに出来る実力では無い。
寒ブリは、フラフラになりながらも、立ち上がる。
ふう、ボスは面倒くさそうにため息をついた。
その時だった。

「やめろ!」

廃倉庫のドアが開かれた。
外の光を背に浮かぶ、3人のシルエット。

「チームフォンデュ、参上!」

続く
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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Secre

なるほど~マジすか3と絡めてきたわけですね~。(マジすか3見て無い私、凛九郎。(苦笑))

これから「寒ブリ」「パル」この二人がどんな絡みを見せるのか…何よりそこにマジ女の面々がどのように関わってくるのか、めちゃくちゃ楽しみです!!(゜∇^d)!!

Re: タイトルなし

>凛九郎さん

コメントありがとうございます。
3は1,2と全然違う世界観で見始めは戸惑いますが、結構面白いですよ。
作品を超えてどう絡ませようか私もワクワクしています。
プロフィール

ウロマム

Author:ウロマム
どうも、ウロマムです。
AKB48さんの小説を書いてます。

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