スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「マジすか学園2.5」第1話

第1話「新たな敵」

「前田さんが去ってもう半年か……」
「平和なもんだなあ」

ぐつぐつと煮える鍋を囲って、少女たち5人は話していた。
それが学校の教室内であるのだから、普通に考えれば甚だおかしな映像であるが、彼女たちにとっては日常である。

「なんだかんだ今のラッパッパは頼りになるしな」
「まさかうちのクラスからテッペンになっちまうとは」

チーズフォンデュをつつきながら、学校界隈の噂を話したり、作戦会議を開く2年生の彼女たち5人は、自らを『チームフォンデュ』と名乗る。
キャプテンの『どっち』、副キャプテンの『ツリ』、腰に巻いたトレーナーが特徴的な参謀の『寒ブリ』、高校生には見えない老け顔の出納係『年増』、そして体が一際小さい鉄砲玉『レモン』の5人だ。
『チーム』だとか『鉄砲玉』だとか、ただの女子高生であれば恥ずかしい限りの単語であるが、この学校では全くそうはならない。
壁中に落書きがあり、授業はまともに行われていない。
いわゆるヤンキー高校。
馬路須加女学園、通称『マジ女』だ。

「とりあえず、安心してヤンキーができるもんな」
「そんなヘタレたヤンキーあっていいのかよ」

そして、この荒れに荒れるヤンキー校を統括するのが吹奏楽部。
最強武闘派集団、通称『ラッパッパ』である。
県内最強と呼ばれるマジ女の中のテッペン。

「矢場久根との戦争はやばかったじゃねえか。あのころに比べたら、安心、だ」

矢場久根女子商業高校、通称『ヤバ女』。
マジ女とはライバル関係にあるヤンキー校だ。
つい半年前に、両校の全面戦争が行われた。
それは、ヤバ女の総長の交代劇がきっかけだった。

「シブヤさんは結局矢場久根のままらしいな」

旧ラッパッパ四天王『シブヤ』。
彼女は卒業したのち、もう一度ヤバ女に編入し、前田への復讐を行おうとした。

「マジで前田さんは、凄すぎだった」

そして去っていったマジ女の元テッペン、前田敦子。
旧ラッパッパからマジ女を託された、最強の女子高生。
最終的にその戦争も、前田が収める形になった。
マジ女とヤバ女。
いがみ合っていた両校には、友好の兆しすらある。

「おい……なんだ? 外が騒がしいぞ」

それは、そんな平和な日常の、突然の出来事だった。
寒ブリが教室の窓に目線を移した。
校庭ではざわざわと生徒が騒いでいる。
慌てて5人も窓から身を乗り出して校庭を覗く。

「矢場久根か!?」
「違うぞ。見たことねえ制服だ」

誰かが校庭を歩いている。
その周りをマジ女の生徒が囲んでいた。
それを無視してずかずかと校庭を進むのは、虎柄の制服。
少なくともチームフォンデュの5人はそれを見たことがない。

「ここらへんの高校じゃない」
「どこだありゃ? 一人で乗り込んでくるなんて」

県内最強のマジ女の敷居をまたぐ。
そう簡単にはできることではない。
それもたった一人で、だ。
沢山の生徒に睨まれながら、それでもその少女は止まらずに歩みを進める。
校舎に入り、階段を登っていく。
そして、ついにラッパッパ部室前の階段までたどり着いた。
その階段だけは他とは違う。
登る重みは、この学校の頂点に挑戦するということ。
ふう、と一息ついて少女が一歩踏み出した瞬間。
ガシッと肩を抑えられる。

「おい……その先になんの用だ? 要件ならうちらが聞く」

緑色のジャージを着た5人組。
マジ女の生徒なら知らない者はいない。

「あんた……ラッパッパ、か?」

ラッパッパ部員、『チームホルモン』。
喧嘩の実力はさておき、矢場久根との決戦時には劣勢にもかかわらず旗を守り抜いた。

「そうだ……今ここでやっちまってもいいんだぜ?」
「じゃ、あんたでええわ」

そう言うと少女は、折りたたまれた紙を、懐から取り出す。
顔をしかめながらも、チームホルモンのリーダー、『ヲタ』がそれを受け取った。

「部長さんに渡しといてや」
「なんだよ、これ」
「あ、中身はまだ見んといてな。うちが帰ってからにしてくれや」
「誰なんだよ、てめえは!」

声を荒げてヲタが近くにあった椅子を蹴り飛ばす。
それに驚く素振りを見せながらも、少女は腰を深く落として、ガンを飛ばす。

「難矢手(なんやて)女子高等学校の……山田にゃ……山田菜々、や」
「自分の名前を噛むな」

ヲタに突っ込まれながらも少女は続けた。

「ナナ……って呼んでください。あ、ナナタンでもええで」

自己紹介を終えると、じゃ、と右手を上げて、ナナはマジ女から走り去った。
残されたチームホルモンの面々は顔を見合わせた。

「喧嘩にならなくてよかった―」
「ビビってんじゃねえよ。流石にうちらもこの人数だったら負けねえわ!」
「ナンヤテって……どこだ? お前ら聞いたことあるか?」
「知らねえよ」
「ここらへんじゃあねえな」

それは聞いたことがない学校名。
少なくとも県内の高校では無い。

「てか、なんて書いてあんだよ」
「え?」
「その紙だよ。早く開けろ」
「お、おう」

チームホルモンの4人、そして見ていた十数名の他の生徒に見守られながら、ヲタが手紙を開ける。
広げるとその紙は、大きめの画用紙だった。
その内容を見た、チームホルモンは目を丸くした。
達筆な文字で書かれていた。

『マジ女を潰す! てっぺんとったんで! ――難矢手女子高校 さや姉』

宣戦布告だった。

続く
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

Secre

プロフィール

ウロマム

Author:ウロマム
どうも、ウロマムです。
AKB48さんの小説を書いてます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。