スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「スラムダンクはできないけれど」第52話

第52話「エース渡辺」

渡辺がドライブからのフェイドアウェイショットを見せる。
すかさず帝桜は山本と増田の連携で点を取る。
どちらも譲らない点の取り合いが続いた。

「凄い……帝桜とほぼ互角に戦ってる」
「確かに点は離れないけど、得点する選手を散らしている帝桜に対して、フォローはあるが渡廊は渡辺一辺倒だ。どこまで持つか」

菊地と交代してから、渡辺の運動量は普段の試合とは大きく違っていた。
ガードとしてのゲームメイクとフォワードとしての得点を同時にこなす。
身体への負担は大きい。
しかし、それでも渡辺は止まらない。

「平嶋も菊地もいない……そんな中でこの強さ。あんたみたいが選手がタメにいるなんて知らんかったわ。しかも、今までの試合と全然動きが違う」
「元々こういうプレーの方が得意だっただけ」

鋭いドライブで山本を抜き去る。
ヘルプに出てきた大島もロールでかわす。
この試合、完璧な当たりを見せるジャンプショットで得点した。

「でも、点の取り合いなら、うちらは負けへんで」

山本がボールを持ち、大島がスクリーンをかける。
先ほどの渡辺のプレーのお返しとばかり、山本のスリーポイントが決まった。
すぐにボールは前に飛んだ。
走っていた仲川から、渡辺にボールがつながる。

「渡辺、強引に行った!」

ディフェンスが待ち構える中で、渡辺はドリブルで突っ込んでいく。
データに基づいた確実なプレーをする渡辺のプレーにしては珍しいものだった。
ゴール下、光宗と接触しながらボールを放る。
ファウルを貰いながらのシュートが決まった。

「中学のリベンジさせてもらうよ」
「渡辺麻友……データバスケは捨てたのか?」

中学時代、そしてここまでの試合を見てきた光宗からすれば、渡辺の強引なシュートは理解できなかった。
データから導き出した最善の、確率の高いシュートを打ってくるのが渡辺のはずだった。
光宗の問いに渡辺はひょうひょうと答えた。

「まさか。今のシュートは『相手は渡辺麻友が強引なシュートを打つなんて思ってない』っていうデータに基づいた……確率の高いシュートです」

相手に自分が研究されていることまでデータに加える。
そして、その裏をかく。
データの収集、そしてそれを利用する。
王者帝桜が相手でも、渡辺は手のひらの上で転がそうとしていた。

渡辺がフリースローを決めた後、帝桜の攻撃。
センター光宗にボールが入る。
ドリブルからのステップインで小森をかわすと、視界に渡辺が見えた。

(渡辺はオフェンスファウルを狙ってる)

渡辺が積極的にインサイドでファウルを取ろうとしてくるのは知っていた。
光宗は渡辺をかわすように外で構える山本にパスを出す。
しかし、そのパスに横から渡辺が飛び込んでくる。

「だから外にパスを出すわけで。データ通り」

すぐに速攻に走っていた仲川にパスが通り、レイアップが決まる。
このシュートで点差は2点まで縮まった。
タイムアウトを示すブザーが鳴り響く。

「帝桜がタイムアウトだ! 王者が焦ってるぞ!」

逆転されたわけでもなく、慌てふためいているわけでもないが、焦っている、という表現はあながち間違ってはいなかった。
渡辺麻友の勢いを一旦止めるためのタイムアウト。
形としては渡辺にタイムアウトを取らされたことになる。

「さや姉……あの子のマーク、私にやらせて」
「そ、そんな前田さん! 私まだやれますよ!」
「別にさや姉を責めてるわけじゃないよ。このままさや姉がついてても十分だと思ってる。だから、これは私のただのわがまま。あの選手と勝負がしたいんだよ。ね、いいでしょ?」
「そう言われちゃったら……断れませんけど」

タイムアウト明け、帝桜の攻撃は、前田がジャンプシュートを決める。
そして、ディフェンス、そのマークに会場がざわめく。

「前田が渡辺をマークだ!」

岩佐のマークは山本に戻り、ボールを運ぶ渡辺のマークが前田になる。
特に動揺する様子も無く、渡辺は一旦浦野にボールを預けると、改めて体制を整えて対峙する。

「前田さん……一度勝負してみたかったんですよ」
「うん。私も」

渡辺がパスを受け取り、1対1を仕掛けていく。
菊地がいない今、渡廊のエースは間違いなく渡辺。
両校のエースが直接ぶつかり合おうとしていた。

「前に雑誌で読んだんだけど、前田は相手選手を事前に物凄く研究するらしいよ」
「へー、そういうタイプだったのか。だったら麻友と一緒じゃん」

高柳が見た雑誌の特集では、前田は対戦相手の映像をじっくりと研究すると書かれていた。
確かに前田はこの試合に向けても、渡廊高校の試合を何度も見てきている。
その点では渡辺と同じタイプの選手であった。
しかし、前田をよく知る篠田は、雑誌にも書かれていないことを知っていた。

「渡辺と一緒ね……確かにそうかもしれないけど、一つ大きな差がある」
すぐに藤江が聞いた。
「大きな差? なんですか」

渡辺のシュートがブロックされる。
まるでマークが外れていなかったのだから、当然だった。
ルーズボールを大島が拾い、前田にパスが出る。
ボールを受けてすぐ、前田はジャンプシュートを放つ。
精密機械のように完璧なシュートが決まる。

「簡単に言えば……才能」

続く

中々更新できなくてすいません。
気がつけばもうすぐあっちゃん卒業……。
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

Secre

待ってたよ~

Re: タイトルなし

> キラさん

コメントありがとうございます。
次も楽しみにしていただけたら嬉しいです。
プロフィール

ウロマム

Author:ウロマム
どうも、ウロマムです。
AKB48さんの小説を書いてます。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。