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「スラムダンクはできないけれど」第18話

第18話「渡廊のエース」

「すいません! 指原のせいでリードが」

控室にて指原は何度も頭を下げる。

「何言ってんだよ。指原のおかげで第2ピリオドの渡廊相手でもこの点差で粘れたんじゃねえか」
「そうですよ。どんだけアシスト貰ったことか」

宮澤と珠理奈の言葉に、指原の表情も和らぐ。

「そうっすか? やっぱ指原イケてましたか?」
「調子に乗るな!」

パシッと秋元が指原の頭を叩く。
笑いが起こる。
十桜のこの雰囲気は、油断している、というわけではない。
点差は5点リードされているし、渡廊相手にその5点を埋めることがどれだけ大変かということも分かっていた。
しかし、追いつき始めての5点。
確かに自分たちのバスケが通用するという自信から来るリラックスした雰囲気だった。

一転して、焦りの見える雰囲気なのが渡廊高校の控室だった。
2ピリで試合が決まるほど突き放す。
そんな予定だった。
しかし、指原の覚醒により狂わされた。
確実に相手は事前のデータを超えるバスケをしてきている。

「うーん……」

ここまでの記録を見ながら、渡辺は頭を悩ませる。
誰のどういったシュートが一番確率が高いのか。
どう守れば、相手に一番確率の低いシュートを打たせられるのか。
そんな若き司令塔に菊地が声を掛けた。

「後半、あたしで行ってみる?」
「え?」
「多分、麻友も納得すると思うけど」

そうして菊地が指さす所には、渡辺が即決するデータが刻まれていた。

一進一退の攻防に会場の熱が冷めないまま、第3ピリオドがスタートする。
「面白い試合になってきたな」
「まさか、渡廊が第2ピリオドで突き放せないとは」
渡廊のデータバスケ、弱点指原、そして指原覚醒。
見どころしかない試合だった。

十桜高校のボールでゲームはスタートする。
指原の声と共に十桜選手が動き出す。
十桜この試合初めてのセットプレーだ。
点差は5点。
何としても縮めたい。
そのボールのねらい目は……玲奈だ。
第3ピリオド開幕、スリーポイントが決まる。

「スリーってことはこれで……2点差」
「一気に渡廊を追い詰めたな」

わずかワンゴール差。
それでも渡廊高校に焦りの色は見えない。
前半と同じように平嶋の声でオフェンスが始まる。
しかし、その陣形に会場は、どよめく。

「菊地のアイソレーション!?」

菊地だけが右サイドに残り、他の4人は全員左サイドに寄る。
コート半分が菊地と珠理奈の1対1のフィールドになる。

「まさか渡廊があんな大胆な攻撃を使うとは」

菊地の1対1に全てを任せたフォーメーション。
渡廊の緻密なデータバスケとはかけ離れている。
しかも2点差のこの場面、でだ。

(いや、いいんですよ、これで)

渡辺がニヤリと笑う。
菊地が内側にドライブを仕掛ける。
珠理奈は反応するが、ギリギリだ。
それを見てすぐにストップジャンプシュート。
決まる。

ハーフタイムで渡辺が見たデータ。
それは前半の菊地と珠理奈の1対1の結果だった。

100パーセント。

菊地が珠理奈に1対1を仕掛けた場合の勝率である。
つまり、珠理奈はここまで1度も菊地を止めることができていない。

「松井珠理奈が止められないってどんだけですか、菊地って選手は」
「彼女はかなりレベルの高い選手だよ。彼女にとっては初めての全国レベルの相手だろう」

十桜の攻撃。
すぐに珠理奈が指原からパスを要求する。

(やり返してくるよな、そりゃ)

ボールを受け取った珠理奈が左にボールを動かす。
(左……)
そしてすぐに切り返して内側にドライブを仕掛けてくる。
(右! 反応できる!)
菊地は珠理奈のドライブに反応する。
ぶつかったことにより珠理奈のボールが一瞬無防備になる。
その隙を見逃すことなく菊地がスティールする。

そのままドリブルで運ぶ菊地。
逆サイドを走るは平嶋。
戻るのは指原。
2対1だ。

2対1というのは、もっとも簡単に点が取れるアウトナンバーである。
ディフェンスがどちらかについてる限りは、もう片方は必ずフリーになるのだから当たり前だ。
両方守ることを諦めた指原が菊地につく。
平嶋がフリーで走り込む。
しかし、菊地はパスをしない。
そのままドリブルで突っ込み、指原をかわして点を取る。
パスなんて頭にない。

「2対1でも1対1の選択。なんて自信」
「メチャクチャだが、結果が同じなら誰も文句言えないだろうな」

そのプレーを笑いながら見つめる仲川。
「菊地はバカだからなあ」
そして仲川の隣で苦笑する渡辺。
(バカですからねえ)

すぐに振り向いて、菊地が指を指す。

「おい! はるごん! 麻友! 聞こえてんぞ!」
「やべっ! あやりん怒った!」
(ちょ、何で私まで分かるの!?)

慌てて仲川と渡辺は目を逸らす。
騒ぎながら戻る菊地をコートの外で見つめるのは、監督尾木だ。

「あの子には本当に煩わされた。未だに私の求めるプレースタイルには程遠い」

チーム内のセットプレーを中々覚えない。
相手のデータも覚えてこない。
ブログで作戦をばらしてしまったこともある。
それでも尾木は菊地をメンバーから外そうと思ったことが無い。

「誰よりも点を取れるからな」

メチャクチャでも、チームのエースは菊地なのだ。

「また菊地だ! 止まらなくなってきたぞ」

またも珠理奈を抜き去り、ヘルプの宮澤をもかわし、菊地がシュートを決める。
3連続得点になる。

「菊地凄いですね。中学から活躍してるんですか?」
「いや、彼女の中学の試合出場記録は、1年の試合を最後に残っていない」
「え? どういうことなんですか?」
「何か不祥事を起こして退部になったらしい。それ以降の2年間はバスケから離れている。渡廊高校には1からセレクションを受けて合格した」

菊地が宮澤のシュートをブロックする。
(どんだけ飛んでんだよ……!)
渡廊ボールになる。

「あの宮澤をブロックした!?」
「これが全国レベルだ」

平嶋、渡辺、そして迷いなく菊地へとボールが繋がる。
変わらずマークは珠理奈。
(あの事件はホントにバカだったと思ったよ。後悔もしてる)
ゆっくりとドリブルを突き始める。
ジリジリと珠理奈との距離が縮まる。
(でも……それが無ければ今よりもっと活躍してる、とは思わない!)
一気にスピードを上げ、内側にドライブを仕掛ける。
珠理奈はそれに反応する。

「今は今、過去は過去でいい……もう立ち止まってられないんだよ」

菊地は鋭く切り返し、珠理奈を置き去りにする。
「これ以上やらせるか!」
ゴール下で待ち構える秋元が覆いかぶさるようにチェックする。
その手は菊地に当たる。
ファール覚悟のチェックだ。
菊地は後ろに飛ぶ。
ボール一つ分、ギリギリ、秋元のチェックから外れる。
審判の笛の音を聞きながらシュートは放たれる。
高い弧を描いたシュートは、小さくネットの音を立てて、リングを通過した。

「うわあ! 菊地4連続得点! しかもバスカン取った!」

フリースローも決まる。
観客の声援がうなりを上げる。
メガホンを叩く音がコート全体を包み、まるで会場全体が渡廊高校の応援をしているかのような感覚に陥る。
再び11点差。
2ピリで何とかつめた、そして3ピリ開幕でワンゴール差まで追いついた点差が、また大きく開いた。

続く

わかってねえな……あのウロマムが連日更新をしたんだぞ……。
2回の更新は布石……今度は休載。
でもなんでもなく、ただの気まぐれです、茶番をすいませんでした。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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Secre

お疲れ様です(≧∇≦)


なんか、きくぢが三井が重なって見えてる当たりがたまらなく震えましたww

じゅりなの反撃にも期待ですね(笑)


ゲームはNBAのゲームでしてみんな男の子です(^O^)

大体の能力を実際の選手から汲み取って作っています(^o^)/

では、失礼します!

Re: タイトルなし

>あおやぎさん

コメントありがとうございます。
確かに彼女の過去は三井と重なるところもありますね。
秋元「今の君はもう十分あの頃を超えているよ」
みたいなのもネットで見たことあります。

流石に男子選手なんですね。
NBAとなるとliveか2kですかね。
私も最新のバスケゲームが欲しいです。

私の場合は2Kにしました(≧∇≦)


まだ、出て来ていないキャラはどんな選手なのか今からドキドキですo(`▽´)o

Re: タイトルなし

>あおやぎさん

コメントありがとうございます。
2Kですか、面白そうですね。
まだまだメンバーは出すつもりなので、楽しみにしておいてください。
プロフィール

ウロマム

Author:ウロマム
どうも、ウロマムです。
AKB48さんの小説を書いてます。

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